機能性ディスペプシアの66%が失感情症｜心理的原因と3つの改善法を鍼灸師が解説

こんなお悩みありませんか？

食べると気持ち悪くなる、ゲップが止まらない、お腹が張って苦しい…。病院で検査しても「異常なし」と言われ、胃薬を飲んでも良くならない。「胃腸が弱い体質だから仕方ない」と諦めていませんか？実は、機能性ディスペプシアや呑気症の背景には、体の問題だけでなく「心の深い問題」が隠れている可能性があります。

動画解説

※この記事は、木もれび鍼灸院の弓削周平が解説した動画の内容をもとに、機能性ディスペプシア・呑気症の心理的原因と改善方法について詳しく解説しています。胃薬では改善しない根本原因を理解し、今日から始められる具体的なセルフケア方法をお伝えします。

なぜこの症状が起こるのか？その根本原因

機能性ディスペプシアは、検査では異常が見つからないにもかかわらず、慢性的な胃の不快感や食後のお腹の張りが続く状態です。多くの方が「胃が弱い」「体質的な問題」と片付けられがちですが、実はその背景には見過ごされている重要な要因があります。

現代医学から見た原因

機能性ディスペプシアを抱える方の約66%に「失感情症」という状態が見られることが分かっています。これは一般人口の約10%と比較して、実に6倍もの高い割合です。

• 失感情症とは：自分の感情（怒り、イライラ、悲しみ、喜びなど）を認識しづらい状態
• 心身相関のメカニズム：感情を精神面で認識できない代わりに、肉体面で症状として表現される
• ストレス反応の身体化：心の問題が胃腸症状として現れる

機能性ディスペプシアに特徴的な2つの心理傾向

• 強い不安感：常に「何か悪いことが起こるのでは」という恐怖を抱えている
• 完璧主義：「ちゃんとしなければ」「迷惑をかけてはいけない」という強迫的な思考パターン

東洋医学から見た根本原因

東洋医学では、心と体は密接につながっていると考えます。「心が胃をグーッと支配している」状態、つまり精神的なストレスが直接的に消化器系の機能に影響を与えているのです。

• 気の滞り：ストレスや抑圧された感情により、体内のエネルギー循環が阻害される
• 肝気鬱結：感情を抑え込むことで肝の気が滞り、脾胃の働きを阻害
• 脾胃の虚弱：慢性的なストレスにより消化機能が低下

幼少期の家族関係が現在の症状に影響している可能性

機能性ディスペプシアは20代〜30代で悩む方が多い症状ですが、実は幼少期の親子関係が深く関係している可能性があります。

症状につながりやすい家庭環境

• 過干渉・厳しいしつけ：「ちゃんとしないといけない」という恐怖感を常に抱かせる環境
• 食事への過度な制限：栄養面で極端に気を使いすぎる、マクロビオティックやグルテンフリーの強制など
• 感情表現の抑圧：「泣いてはダメ」「怒ってはいけない」という感情のコントロール
• 完璧主義の強要：失敗を許さない、常に高い基準を求められる環境

このような環境で育つと、自分の感情を抑え込むことが習慣化し、それが成人後に身体症状として現れることがあります。

機能性ディスペプシアと摂食障害の境界線

「何かを食べたらいけない」というインターネット上の情報に影響されている方も少なくありません。機能性ディスペプシアと摂食障害の境界は、実はグラデーションのように曖昧です。

• BMIが22以下になると拒食症の傾向が強まる可能性
• 食べることへの罪悪感や恐怖心が強い場合は要注意
• 「小麦はダメ」「油はダメ」という極端な食事制限は、一種の洗脳状態である可能性

症状改善への具体的なアプローチ

胃薬は症状を和らげるだけで、根本的な解決にはなりません。心と体の両面からアプローチすることで、真の改善を目指すことができます。

今すぐできるセルフケア

【改善方法①】自分の感情を言葉にして出す時間を作る

失感情症の改善には、自分の感情を認識し表現することが重要です。

• 1日5分の内観タイム：悲しい、苦しい、イライラする、嬉しいなどの感情を言葉にする
• 声に出す：書くだけでなく、実際に声に出して外側に発することが効果的
• 感情の認識：自分が今何を考え、何を感じているのかを明確にする練習

【改善方法②】適切な呼吸法を身につける

呼吸は自律神経と密接に関係しています。ただし、単純な深呼吸ではなく、専門的な呼吸法が必要です。

• 横隔膜を意識した腹式呼吸
• 自律神経を整えるリズム呼吸
• 消化器系の機能を高める呼吸テクニック

※呼吸法の詳細については、当院の別の動画や記事で詳しく解説しています

【改善方法③】食べることを許してあげる

食事制限による「洗脳」から自分を解放することが重要です。

• 極端な制限をやめる：小麦、糖質、脂質などの過度な制限を解除
• 食べたいものを食べる：罪悪感を手放し、体の声に素直に従う
• 正しい認識を持つ：流通している食品は基本的に安全。「○○はダメ」という情報は一種の洗脳
• 体重維持の重要性：食事制限により体重が減ると、症状はさらに悪化する傾向がある

専門的な鍼灸治療のアプローチ

セルフケアで改善が見られない場合、専門的な治療が効果的です。

鍼灸治療の特徴

• 心身一如の治療：心と体を分けず、全体として捉える東洋医学のアプローチ
• 自律神経の調整：鍼灸刺激により副交感神経を優位にし、消化機能を改善
• 気の流れの改善：滞った気を巡らせ、ストレスによる体の緊張を緩和
• 体質改善：症状の対処だけでなく、根本的な体質改善を目指す

治療の流れ

1. 詳細な問診：幼少期の家族関係、現在のストレス状況、食生活、感情の状態などを丁寧にヒアリング
2. 東洋医学的診断：脈診・腹診により、気血水のバランスや五臓六腑の状態を把握
3. 個別治療プラン：一人ひとりの体質と症状に合わせたオーダーメイド治療
4. 継続的サポート：定期的なフォローアップで心身の変化を確認し、治療を調整

患者様からよくいただくご質問

Q1: 胃薬を飲んでも良くならないのですが、鍼灸で改善できますか?
A: はい、改善が期待できます。胃薬は症状を一時的に和らげるものですが、鍼灸治療は心と体の両面から根本的な原因にアプローチします。特に機能性ディスペプシアのように心理的要因が大きい場合、自律神経を整える鍼灸治療は効果的です。ただし、症状の程度により個人差がありますので、まずはご相談ください。

Q2: 幼少期の家族関係が原因だとしたら、もう改善できないのでは?
A: いいえ、そんなことはありません。確かに幼少期の体験は影響しますが、今からでも改善は十分可能です。まず自分の感情を認識し表現する練習を始めること、そして専門的な治療により体の緊張を緩めることで、心身のバランスは整っていきます。過去を変えることはできませんが、現在の自分を変えることはできます。

Q3: 食事制限をやめるのが怖いです。本当に食べて大丈夫ですか?
A: その恐怖心こそが、症状を悪化させている可能性があります。流通している食品は基本的に安全です。むしろ、極端な食事制限により栄養不足になると、体重が減り症状は悪化する傾向があります。まずは「食べることを許す」という心の解放から始めましょう。罪悪感を手放すことが、症状改善の第一歩です。

今日から始められる実践ポイント

症状が出た時、次のことを意識してみてください：

• 胃が痛くなった時 → 「今、どんな感情を抱いているだろう?」と自問する
• お腹が張った時 → 「イライラしていないか?」「不安を感じていないか?」と確認
• ゲップが止まらない時 → 「完璧にやろうとしすぎていないか?」と自分に問いかける

まとめ:健やかな毎日を取り戻すために

機能性ディスペプシアや呑気症の改善には、以下のポイントが重要です：

• 症状の本質を理解する：66%に失感情症が見られるという事実から、心理的要因の重要性を認識
• 幼少期の影響を受け入れる：過去の家族関係が現在の症状に影響している可能性を理解
• 感情の認識と表現：1日5分の内観タイムで、自分の感情を言葉にする練習
• 食事の洗脳から解放：極端な制限をやめ、食べることを許し罪悪感を手放す
• 専門治療の活用：セルフケアで改善しない場合は、早めに鍼灸治療などの専門的アプローチを検討

「胃が弱い体質だから仕方ない」と諦める必要はありません。心と体の両面からアプローチすることで、根本的な改善が期待できます。一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。あなたの症状に最適な治療プランをご提案いたします。

木もれび鍼灸院でのご相談・治療をお考えの方へ【CTAパート】

当院では、機能性ディスペプシアや呑気症でお悩みの方に対し、心と体の両面から根本的な改善を目指すオーダーメイド治療を行っています。単に症状を和らげるだけでなく、なぜその症状が起こるのか、どうすれば根本的に改善できるのかを一緒に考えていきます。

【こんな方におすすめ】

• 病院で「異常なし」と言われたが、症状が続いている方
• 胃薬を飲んでも改善しない慢性的な胃腸症状にお悩みの方
• 食べることへの恐怖心や罪悪感がある方
• ゲップ、お腹の張り、ガスで日常生活に支障がある方
• 完璧主義で常に不安を抱えている自覚がある方
• 薬に頼らず、自然治癒力を高めて根本改善したい方